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100kmという距離を自分の力のみで移動するということ - 2012.07.20 Fri

おんたけウルトラトレイルに出て、

せっかく「100kmのレース」を体験したわけなので、

この経験をとおして、私が感じたこと気づいたことを記録しておこうと思います。

トレーナーという視点から、この100km走が身体にどういう影響を及ぼすのか

あくまで私の体験ですが


まず、この100kmという距離を走る(移動する)ことは体にいいか悪いか

これはハッキリ「悪い」と言えます

明らかに健康増進目的で走るには負荷が高すぎます


私の場合で言うと、今回はタイムが11時間40分

少なくともこの時間は身体を動かし続けたことになります。


身体を動かすということは、もちろん筋肉は動きます。

また内臓系は普段からエネルギー代謝や栄養物の吸収または老廃物の除去などで働き続けていますが、「走る」ということは安静時よりは多くのエネルギーが必要になるので、これらの活動がさらに大きくなります。

筋肉を動かすためには酸素が必要になります。

その酸素を運ぶために血液が体中をめぐっています。

とにかく筋肉を動かすための酸素をたくさんを運ぼうと血液はどんどん運ばれていきます。そのために心臓は普段よりたくさん動くことになります。11時間も。

さらに筋肉を動かすにはエネルギーとなる「グリコーゲン」が必要になります。

これは筋肉内と肝臓にいくらか貯蔵されていますが、100km走るには体内の貯蔵量だけでは明らかに足りません。

一般的に筋肉内にはおよそ1200~2000kcal、肝臓内には400kcalぐらいはあると言われています。

これはペース・体重などの関係上、全ての人にあてはまるわけではありませんが、フルマラソンで一般的には約2500kcalぐらい消費すると言われています。

これから考えると100kmではこの3倍以上、10000kcal近くが消費されることになります!

それだけのエネルギーをグリコーゲンだけで補おうとするのは無理な話で、もうひとつのエネルギー物質「脂質」が使われます。

体内にある体脂肪がこのエネルギー源になります。

脂肪のエネルギーは1gが9kcal、そこから水分をぬいて約7.2kcalになります。

体重50kgで体脂肪20%の人の体内での脂肪エネルギー量は約72000kcalになります。

これだけのエネルギーが体内にあるにはあるのですが、脂肪は必ずグリコーゲンと一緒にエネルギーとして使われるので、グリコーゲンがないとこれだけのエネルギーも全て意味のないものとなってしまいます。

そこで、グリコーゲンが枯渇しないように、エネルギージェルなどを摂取しながら走るのですが、それでもだんだんとエネルギー消費に追いつかなくなります。

そうすると「ハンガーノック」いわゆる「エネルギー切れ」になります。

今回は一度だけ軽いハンガーノックを体験しました。

約60kmあたり、ハンガーノックになると視界がぼやけてきます。指先にしびれが出てきます。

そしてだんだんと身体が重たくなってきます。

これはマズイと思い、すぐに吸収の良いエネルギージェルを多めにとりました。

そして65km地点に大きなエイドステーションがあったので、そこで固形物も食べて、なんと回復しました。

本当のハンガーノックになると、身体は動かなくなってしまいます。

いくら優れた高級車でもガソリンがないとまったく動かないのと同じで、いくら優れたアスリートでもエネルギーとなるグリコーゲンが枯渇すると、筋肉は動かなくなり、レース続行が不可能となります。

これだけの距離を走るとなると、このグリコーゲンのエネルギー摂取が大きな鍵となります。

そのことを今回ハンガーノックになりかけて、改めて痛感しました。


また走るときに本当に重要な「足」

フルマラソンでは歩幅などにもよりますが、だいたい30000歩~40000歩ぐらいと言われています。

これもまた3倍以上の計算で、100kmだと100000歩以上!

約10万回、私の足は私の体重を着地時に支え、地面からの反発力を受けたことになります。

そうすると、やはり足部の許容量オーバーが起こったのか、レース2日後から足の裏に強烈な痛みが出てきました。

足を地面に接地するたびに痛みが走り、歩くのもままならない状態です。


またレース翌日、朝起きたときに最初は手の指を動かすのにも時間がかかりました。

動かしたいのに、動かない。

まるで金縛りにあったかのような。

身体は一枚の膜でつながっている。

筋肉もその膜の一部であると私は考えています。

テントと同じで、骨格がテントポール、筋肉を含む膜がテント本体だとしたら、どこかが緩めばテント全体が緩んでしまうし、どこかが強く引っ張られれば、反対側にも影響が及ぼされる。

100km走ったことで例えば私の脚にこれまでにないほどの強い張りが生まれてしまったのなら、身体の膜を通じてその影響が手の指にも現れてもおかしくないと思います。


そして、もちろん100km走ったあとの影響は身体の内部にも現れます。

内臓疲労

内臓系が働くためには、やはり血液が必要になりますが、とにかく筋肉を動かし続けなくちゃいけないのでそっちにたくさんの血液がいき、内蔵に十分な血液が回らなくなってきます。

それでも働き続けなければいけないので、少ない栄養でいつもより高い労働量を強いられる内蔵は当然疲労します。

また、この距離になると筋肉内のグリコーゲンだけでなく、肝臓のグリコーゲンも使われていきます。

そうすると、肝臓にも大きな負担がかかってきます。


レース翌日、なんでも食べたいものを食べようと思っても、あまり食欲がわきませんでした。

また顔に少し吹き出物が出きて肌が荒れはじめました。これは老廃物を排泄する腎臓の働きが弱ってしまったため、排泄機能がうまくはたらかず、肌から老廃物が外へ出始めた結果だと思います。



このように、100kmという距離を走ると、体には悪影響ばかりが及ばされます。


それなのに、なんで多くの人がこの距離を走るのか?

なぜ世界には100kmや100マイル、またはそれ以上のレースが数多く存在するのか?


それは、やっぱり、私もゴール後に感じた、あの、とてつもなく大きな「達成感」

日常では絶対に味わうことのできない、苦しみ、辛さ、またそれらを乗り越えたあとの、喜び、感動

大きな冒険をひとつ果たしたような、そんな満足感

そして、お互い励まし合いながら、走る、極限の状態でこそ感じられる人の温かさ


そんなものがあるからこそだと思います。


何度も言うように、100kmは体には良くないです。


でも、いつもとは違う刺激があってこそ、人生は面白いし、豊かになる。

その刺激を味わうという意味では、挑戦する価値があるものだと思いました。


私自身もこの経験ができて本当に良かったと思っています。

やってみなくちゃ分からないことが、世界には山ほどありますが、

100km走るということが、どういうことなのか、

やってみて、気づけたこともたくさんあってります。


そして、何より、あの感動。忘れられません。

100kmを走って、私の人生に、ひとつ、面白い刺激が入ったと思っています。












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プロフィール

福田 由香理

Author:福田 由香理
トレーニング・コンディショニングトレーナー

東京・神奈川を中心に活動しています。

主にトレーニング・コンディショニング指導を行う傍ら、自分自身もトレイルを中心にランニングに取り組んでいます。

・全米公認ストレングス&コンディショニングスペシャリスト(NSCA-CSCS)
・2008アルティメット世界大会(WUGC)日本代表トレーナー
・獨協大学アメリカンフットボール部トレーニングコーチ
・駒澤大学高等学校陸上競技部トレーナー
・RunFieldコーチングスタッフ
・ALTRA Japanアンバサダー

パーソナルトレーニング、ランニング練習会、トレーニングに関する質問等、お気軽にお問い合わせください☆
q.waterfall@gmail.com

パーソナルトレーニング

トレーナーとの1対1のトレーニングで、全身のコンディショニング・ランニング等の有酸素運動などその人に合ったメニューを作成します。神奈川・東京近郊が基本ですが、その他の場所でもご相談ください!
60分 5000円 
※割引の回数券チケットあります 
初回コンディションチェック90分 
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競技のパフォーマンスアップ・姿勢調整・筋力アップ・ダイエットなど、自分の目標に向かって適切なトレーニングを行なっていきましょう!

トレーニングイベント情報

「B-line女性のためのランニング講習会」
ランニングビギナーのためのランニング講習会です。練習の続け方や楽しく走るためのコツなど、ランニングをこれから始めてみたい方、初レースに挑戦したい方のご参加をお待ちしています!
日にち 3月29日(日)
場所 B-line岸根公園店
内容 30分程度のトレイルラン、ランニングミニ講義、ランニングのためのエクササイズ
参加費 3240円(税込) 
レンタルシューズご用意します(別途100円)

トレーニングイベントのお問い合わせは下記アドレスまでお気軽にどうぞ☆
q.waterfall@gmail.com

レース結果

・2012おんたけウルトラ 女子総合3位
・2013 IZU Trail Journey 女子総合5位
・2014 UTMF 32時間27分 女子総合13位
・2014勝田全国マラソン 女子総合5位
・2014スリーピークス八ヶ岳OnePackLine 女子総合2位
・2014志賀高原エクストリームトライアングル 女子総合優勝
・2014日本山岳耐久レースハセツネ 9時間35分50秒 女子総合2位
・フルマラソン 2時間59分59秒(2014勝田マラソン・ネットタイム)

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